二眼レフカメラ ミハマフレックスを紹介するページです。 About Mihamaflex TLR.
ミハマフレックスは、ミハマのブランドを名乗る二眼レフカメラです。
存在自体は以前から知られていましたが、『カメラコレクターズニュース』2005年9月号(表紙がミハマXの号)では、粟野幹男「広告で見ただけで現在まで一度も現物を見た記憶はありません」と書き記したように(同号p.1)、実在しないモデルと思われていました。
ミハマフレックスが存在した可能性の根拠としては、『カメラフレンド』1954年10月号掲載広告(下記画像)、およびその広告から図版を流用したと思われる、『フォトアート臨時増刊 二眼レフカメラ全書』(1954年)での紹介がありましたが、どちらも実機の写真はなくイラストのみでした。
そのようなこともあり、ミハマフレックスについては、実在しないものと考えていました。ところが、同人誌『ミハマシックス物語』を制作していた2019年、インターネットオークションにミハマフレックスが出品されたのです。
落札、購入することはできなかったのですが、持ち主に連絡を取り、拝見させていただくことができました。写真も撮影させていただき『ミハマシックス物語』では「ミハマの二眼レフカメラ 幻のミハマフレックス」として節を設けて紹介しています。
↑ミハマフレックス テイクレンズ No.25158
さて。2022年の4月になり、なんとさらにもう一台、現存するミハマフレックスが出てきてしまいました。
こちらについてはYahoo!オークションに出品されたもので、同人誌の制作にあたりご協力をいただいた、静岡県下田市の写真店「しゃしんはうす」の店主様が落札され、画像をお送りいただきました。
↑ミハマフレックス テイクレンズ No.25106
ミハマフレックスは、スペックだけ見れば至って普通の二眼レフカメラです。前板繰り出しのフォーカシング、巻き上げは赤窓式で、1950年代前半の二眼レフカメラとしては典型的なものだといえるでしょう。
最大の特徴がレンズです。レンズは「TORI RAOZRE ANASTIGMAT 8.0cm F3.5」というもの。見ての通り、富岡光学のTRI-LAUSERを多分に意識したネーミングです。
同名のレンズを持つ二眼レフカメラとして、すぎやまこういち他編『国産カメラ図鑑』のNo.2227にはREXOFLEXという機種が掲載されており、おそらくは同一の機種をもとに、銘板のみ変更したものと思われます。
ただし、このミハマフレックスが三浜精工/駿河精機の手による製品であるかは不明です。使用されている部品にもミハマシックスとの共通性はありません。セミミハマについては三浜/駿河での製造ではなくOEMの可能性が高いとのことなので、仮に関係があったとしてもOEMであることは確実でしょう。
元・東京都内のカメラ店所蔵品
レンズ Lens |
TORI RAOZRE ANASTIGMAT 8.0cm F3.5 take: No.25158 view: No.25218 |
シャッター Shutter |
無名 B 1-1/300 with self timer |
寸法 Dimensions |
w: 75mm h:143mm d:101mm |
重量 Weight |
欠測 |
静岡県下田市 しゃしんはうす 所蔵品。レンズのシリアルナンバーも近く、同時期のものと思われます。
レンズ Lens |
TORI RAOZRE ANASTIGMAT 8.0cm F3.5 take: No.25106 view: No.25190 |
シャッター Shutter |
無名 B 1-1/300 with self timer |
寸法 Dimensions |
未計測 |
重量 Weight |
未計測 |