2022年12月2日 記
『昭和10~40年 広告に見る国産カメラの歴史』(1994年、朝日ソノラマ)のp.369には、ミハマシックスIに装着されたレンズとしてC.MIHAMA Anastigmat 75mm F3.5のほかに「セリター75mm F3.5」というものが挙げられています。
camera-wikiのFlickrグループにJay Decker氏により上げられた画像には実際にそのレンズ(SERITER)が装着されているほか、Yahoo!オークションにも出品されたことがありました(ID:w381938186)。
このSERITERというレンズが装着された他ブランドのスプリングカメラ、RUVINAL MOD.IIIが手元にあるのでその画像を参考にUPします(※写り込みを修正しています)。
レンズ Lens |
SERITER Anastigmat 75mm F3.5(紫色の薄いモノコート) |
シャッター Shutter |
無銘 B、1~1/200 with self timer, |
フォーカス Focus |
目測式 前玉回転 Scale focusing / front element focusing |
ファインダー Finder |
逆ガリレオ式 reverse Galilean type |
フィルム送り Advance |
赤窓式 red window 着脱式の枠で645判へ切り替え |
寸法 Dimensions |
w: 136mm h:98mm d:45mm / 102mm ※ノギスではなく定規による簡易測定 |
重量 Weight |
624.0g |
価格 Price |
不明(参考文献『広告にみる国産カメラの歴史』にも記載なし) |
発売年 Release |
『アサヒカメラ』1951年12月号「新製品メモ」に掲載 *1 |
製造元もしくは販売元 Company |
昭栄光学 |
出典 Source |
*1 『広告にみる国産カメラの歴史』1994年、朝日ソノラマ、p.373 |
このRuvinal MOD.IIIについては、camera-wikiによると戦前にUgein(ユーゲン)として販売されていたカメラの焼き直しとのことで、バルダックスの影響を強く受けています。
「Ruvinal - Camera-wiki.org - The free camera encyclopedia」
レンズについてはおそらく、当時の小規模メーカーによくある問屋から買い付けたものでしょう。ミハマのカメラでSERITERが付いたものは初期のMIHAMA Iに限られるので、最初期のミハマは同様に部品を買い付けるところからはじまり、次いで自社専用の銘板を用いることになった、ということなのだと思います。